Pain

 

痛みや、苦しみって、

それ自体、とてもとてもしんどいのだけど、

本当に悲しいことは、

それを共有する誰かがいないことなのかもしれない。

 

世の中には、わかりやすい痛みと、

注意深くないと気づけない痛みと、

注意深くても理解できない痛みがあって。

わかりやすい痛みが、僕らはいつも羨ましい。

 

わかりやすい痛みは、みんなに理解される。

同じ痛みを抱えた人を見つけるのだって簡単だ。

そうすれば、痛いけど、もう悲しくなんかないよ。

むしろ、そこから勇気を得ることだってあるかもしれない。

 

反対に、誰かが抱えている痛みは、

多くの人にとって「取るに足らない」痛みかもしれない。

自分はすごくすごく苦しくて仕方がないのに、

理解されないから、もっと苦しくなってしまう。

 

けれど、たとえ周りがなんと言っても、

僕らは僕らの痛みを「痛い」と言っていいと思う。

苦しくて、孤独かもしれないけれど、

僕らは僕らの悲しみを悲しむ権利がある。

 

そしてその権利は誰も侵すことができない

 

 

僕は、彼の痛みを理解することができたのだろうか。

彼の痛みに寄り添うことができていただろうか。

それとも、やはり彼をさらに苦しめてしまっただろうか。

彼の痛みは、さらに深い孤独と悲しみに覆われてしまっただろうか。

 

それでも、僕は。