Pain
痛みや、苦しみって、
それ自体、とてもとてもしんどいのだけど、
本当に悲しいことは、
それを共有する誰かがいないことなのかもしれない。
世の中には、わかりやすい痛みと、
注意深くないと気づけない痛みと、
注意深くても理解できない痛みがあって。
わかりやすい痛みが、僕らはいつも羨ましい。
わかりやすい痛みは、みんなに理解される。
同じ痛みを抱えた人を見つけるのだって簡単だ。
そうすれば、痛いけど、もう悲しくなんかないよ。
むしろ、そこから勇気を得ることだってあるかもしれない。
反対に、誰かが抱えている痛みは、
多くの人にとって「取るに足らない」痛みかもしれない。
自分はすごくすごく苦しくて仕方がないのに、
理解されないから、もっと苦しくなってしまう。
けれど、たとえ周りがなんと言っても、
僕らは僕らの痛みを「痛い」と言っていいと思う。
苦しくて、孤独かもしれないけれど、
僕らは僕らの悲しみを悲しむ権利がある。
そしてその権利は誰も侵すことができない
*
僕は、彼の痛みを理解することができたのだろうか。
彼の痛みに寄り添うことができていただろうか。
それとも、やはり彼をさらに苦しめてしまっただろうか。
彼の痛みは、さらに深い孤独と悲しみに覆われてしまっただろうか。
それでも、僕は。